WAM助成事業(2015年度)

2015年度WAM助成事業の概要です。

事業名

対話で作る自己表現、“孤立と貧困”防止事業

事業概要

各世代で生活に困窮する人たちが増加しているという現状に対し、貧困の過程にある「経済、社会、自己」からの排除のうち「自己」と「社会」の部分に焦点をあて、個々が困難から脱するために、まずは自己肯定感と自立への意欲を取り戻し、地域社会とつながっていく道筋を照らしていくことを目的とした「①生活困窮者を対象に、ご本人がサポーターと対話をしながら自分の思いを表現した『セルフパンフレット』を作成し、活用する ②地域住民や支援者を対象に『作成サポーター』を養成し、地域に取り組みへの理解を深める」ことを実施する事業

現状と課題

一部で経済状況が大変好調だといいます。しかし、その陰で、人びとの生活や環境の格差はますます拡がり続け、いま日本人の6人にひとりが「貧困層」にあるとさえいわれています。
私たちは台東区内において、何かしら困難な状況に置かれている方たち一人ひとりと向き合い、傾聴し、本人が「サポーター」と対話をしながら自己表現する「セルフパンフレットの作成」を通して、気持ちが一歩前へ進むための心の支援活動を行っています。
生き辛さを抱える人たちは、それぞれに様ざまな背景を負い、苦しい時間の積み重なりのなかで自尊感情が埋もれ、主体的な意欲を失ってしまっている人も多いです。
「セルフパンフレット」は自分自身を見つめ直し、肯定的に捉え、自己効力感と再発見を通して、自尊感情や生きる意欲を取り戻していくものであり、私たちは活動のなかで、これを作成した人たちが勇気を得て、次のステップへと進んで行く姿を目の当たりにしています。
また地域の作成サポーターはひとりの人間に寄り添い、自分の関わった人が明るさや自信を取り戻していく過程で喜びを共有し、支援することを通して自らも達成感や自己有用感を得ています。
これはサポートする側とされる側が、対等の関係を保ちながらともに問題解決へと向かう形であり、地域社会のつながりを深める方向へ歩みを進めるものだと認識しています。
地域を巻き込んでこの取り組みを実現するには、その地域での「作成サポーターの養成」が不可欠ですが、これに対して育成を担う人材が不足しているという厳しい現状があります。
講座を担当できる人材を確保し、既存の指導者とともに研修・研究を重ね、活動の質の向上に努めていくこと等も重要な課題です。

事業計画

  1. 実行運営委員会の開催
  2. 講習会『対話で作る自己表現、セルフパンフレットを作ろう』の開催(紹介・募集事業)
  3. 『セルフパンフレット作成サポーター養成講座』の開催
  4. 指導者養成、および研修、研究会の実施
  5. 事業成果のまとめ報告書の作成
  6. シンポジウムの開催


セルフパンフレットについて

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